10/18(日)【2020アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン】翼の折れたエンジェル
俺より強いヤツに会いにいく。
そう、今日はアイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパンのレース当日。
『鉄人』の名を冠した最強のトライアスリートを決める日本最強のトライアスロンレースである。
そして、
レース開始1時間前...
1人の男が決戦の舞台である新舞子マリンパークに降り立ち、朝日に照り返す静かな水面を独り見つめていた。。。
あ〜
今日寒かったらどうしよ〜
やだな〜
この男、トライスーツ(袖無し)にウエットスーツ(袖無し)の装備の模様。
前日は10月とは思えない冷え込みを記録しており、当日は晴れ予報とはいえ、スタート時刻の7時半近くになってもまだ14℃ほど。
ヤバいかもしれん。
寒いかもしれん。
本来であれば、ウェットスーツの感覚(またレンタルかーい!)や海の波の様子を見るためにスイムのウォーミングアップということで入水しておきたいところだが、
最強ヒルクライマー僕
スイムのウォーミングアップをまさかのスキップ
最強ボク『スイムは元々僕にとってアップなんですよ。そんなに焦ってないですね』
直訳:俺スイム苦手だし、そんなに思い入れないから最初適当に流すわ
いや濡れた身体で浜風に煽られたら確実に筋肉が硬直するわ。
陸でのランニングアップに切り替える。
しかしここでなんか妙にテンション高い外人のMCから会場内にアナウンス。
ミナサーン、スイオンは21℃とのコトデース!!
ヨカッタデスネ!
世界選手権ノスロット狙ってル方もウェットスーツダイジョブデース!!
俺『!!』
俺『ヒャッホゥウウウ!!!』
あ、ちなみに今回自分は一応世界選手権のスロット狙ってます。
狙うだけ(小声)
自分は今回★初★海水浴(海でのオープンウォータースイム)ということで
アップしないということは、7個くらいその選択の無謀さについて語れるのですが、テンションが上がったのでそのままスタートすることにしました。
『最後にひとつだけ聞かせてくれ。さっき言ってた7個の選択の無謀、、、』
『8個目は何だ?』
『ハア?8個目?』
『ああ!わずかながらの希望だよ!!!』
という感じで7時半過ぎに海に向かって飛び込んでスイムスタート。
ちなみに普段あまり使ってない曇り止めをとりあえず塗ったらスタート直前目の前が曇りになったので、急いで水をもらい、レンズ部分をゴシゴシしました。
ああ、あれ水ですすがないとダメなのね。
いや、試しとけよ!!
⬛︎スイムパート
10秒間隔で10人が順番に一斉にスタートする形
自分も意を決して海へダイブ!
そして海に飛び込んでひとかき腕を回して呼吸した途端、衝撃が走るッ!!!
海の水しょっぱい。
そして、やはり海の中の方があったか〜い
さすが母なる海、生命の源。
この暖かさは慈愛によるものなのなんだろうな。んなことはない。
しかしやはり海水は濁っており、有視界は50cmほど。
決められたブイの左右の正しい方を通過しなければならないのだが、水面からだとブイが見えにくい。しかも途中目印として設置されている第1のブイは太陽の逆光ポジションである。
スイムコースは何度も陸地から確認したのだが、いざ海の中を泳いでみると、あらら不思議。
ブイの位置が気になってしまい、途中平泳ぎを多用する事態に。
たぶんそんなに心配しなくても適当に真っ直ぐ泳げばいいんだろうが、視界が悪い中、己を信じて泳ぐということが最初の方はできなかった。
これが"経験の差"か
周りの人の場所もつかみにくいし、そもそも潮?に流されて方向を間違えている人もいるw
そして、初めての海が僕を苦しめる。
なんか泳ぎにくい。
なんか泳いでも思ったより進まない?
あれ?スイム週5で練習したのに・・・
(直前だけな!)
ふふふ、気づいたようだな...
最初スタートから途中の折り返し地点まで、海から泳いで川の方に向かう(川の流れに逆走する)コース設定なのですよ。
冷静になったからわかるんだけど、水は川から海に向かって流れるから、最初の方は流れに逆らって泳いでるんだよね。
というかよく見たら河じゃなかったw
まあいっか。
泳いでる途中はそんなことは全く考える余裕もなく
コポォwww
溺れるぅwwwww
やっぱり25mプールと海は違うな!!
(当たり前体操〜♪)
まあ途中平泳ぎで休み休み泳ぎながら←オイ
橋の下をくぐり、第2のブイへ。
ここはブイ回りを最短で綺麗に回れたと思う。
Garminのスマートウォッチは300m進むごとにお知らせする設定にしておいたので、600mのアラートが鳴った時点でここでチラ見(はじめの300mはなんか見る余裕なかったわ)
ブッ...
600m進むのに16分もかかってるwww
これ900mで24分、1900mはその倍以上だからスイム50分くらいかかるじゃんwww
と太平洋の中でひとりノリツッコミ。
そんなことをしながら、川の反対側の折り返し地点を目指して泳いでいると
なんか声が聞こえる。
『・・・!!!』
ん?
顔を上げるとパドルサーフィンのライフセーバーのスタッフさんが何か言ってるようだ。
何か言ってるのはわかるが、スイムキャップを耳までかぶっており、しかも海の中だと声が聞きにくい。
あれかな?
なんか溺れてるように見えるとOKサイン出さないといけないとかWEB説明会で言ってた気がするけど、それかな?
俺の泳ぎ溺れてる感じなのかな?
やれやれ
この泳ぎ方は生まれつきだぞっと
とか思いながら答えようとすると、次の声はハッキリ聞こえた
『流されてますよ〜^-^』
えw
繰り返しでくどいが、流れは河→海なので、河を横切るように泳ぐと、海に向かう流れで斜めに流される。
最強ボク、このライフセーバーさんの一言でここで初めて川と海の流れの関係を完全に把握。
いや遅いけど。
すぐさまコースを修正し、いったんちょい足がつく半分の折り返し地点まで泳ぎ、再び海へ飛び込む。
しかし折り返して泳ぎ始めて気づく。
その異常事態に。
他の人もめちゃくちゃ流されとるwww
折り返し地点のすぐ側は流されてる人と再度泳ぎ始める人でごちゃごちゃに。
下手したら正面衝突しかねないカオスだ。。
泳いでる本人は気づかないんだろうな
↑自分もね
ぶつかるのは嫌なのでやや外回り気味に泳ぎ、第3のブイへ。
しかし三度感じる異変。
ん?
流れは把握したはずだが、なんかブイから見てコースがズレてるような。。。
真っ直ぐ泳げていないのか?
いやここまで1kmも泳げば、海での泳ぎ方にはだいぶ慣れてきている。
!!
まさか!!
違う・・・
俺が流されてるんじゃない・・・
ブイが流されてるんだ・・・
いやブイ動くのかよw
しかもなぜかブイは海→河方向に流れてるw
動くブイを指定された側から回るために必死に軌道修正しながら泳ぐ。
ええ、ハイ。
ブイに轢かれそうになりましたよ。
折り返し地点から海へ向かって泳ぐときは、
ああコレは追い潮だわ
※"追い風"的なことを言いたい
と理解していたので、そんなに慌てることなく最後の第4ブイも通過。
やはり若干流れて動いているので下敷きにならないように気をつける。
あとは砂浜に向かって泳ぐだけや!!
ん?
ちょっと待てぇい!!
砂浜のどこに上陸すればいいんだ。。。
もうね、この頃になるとね
みんないろんな方向に泳いでるんですよ。
しかも10人ごとのローリングスタートだからバラバラになって意外と周りに人がいない。
よく見れば分かるんだけどスイムフィニッシュの旗(ゲート?)も水面からだと何故か絶妙に見にくい。
そんな中、事前のスイムコースの写真を思い出しながら、あるはずであろう上陸地点を目指し、最短で泳ぐボク。
ククク...
海?
潮の流れ?
泳ぎにくい?
もう慣れたわ!!
最後の方うまく泳げてたと思うよ、知らんけど。
上陸地点多少違っても砂浜走った方が速いと思ったのであまり気にせず最短経路を選択しました。
結果、スイムゴールゲートのすぐ近くに上陸。
スイムアップは手元計測で42分。
速い人は30分であがるのでこれは明らかなディスアドバンテージ。
え?
というか
これで今回
海のコンディション良かった方なの?
海ヤバいわ。
そして
やっと終わった。。。
ウォーミングアップがな!!!
陸に上がり、慣れた手つきで走りながらウェットスーツの上半身を脱ぎつつ、トランジションへそそくさと向かう。
裸足だとちょっと痛いがそこは我慢した。
⬛︎バイクパート
人との間隔を空けるため、いつもより長〜くセットされたトランジションエリアを裸足で駆け抜け、バイクのトランジットを行う。
ウェットスーツ脱いで、足拭いて、靴下履いて、ヘルメットかぶって、ジェル持って。
フフフ。。。
そしてコレよ。。。
今回は今までずっとやろうと思ってできなかった、バイクにあらかじめシューズをつけておいて颯爽と飛び乗る用意をしておいたのだよ!
そうそうこれが出来てこそなんかトライアスリートって感じだよね!!
練習での成功回数は1/3くらいだったが、
まあ最終練習ではコツつかんでバリ決まってたし行けんべ。
って感じで。
自分はダイジョーブ博士の強くなるボタンは即押しするタイプですね
スタッフ『はい、この線超えたらバイク乗っていいよ』
フッ...
見ておけ!
華麗な乗車テクを!!
これが一流のトライアスリートのトランジットだ!!!
あ、やべ。
靴の上に足置いちゃった。
てへぺろ。
本来は当然靴の中に足入れなきゃいけないんだが、踏んづけちゃったよ。
とりあえず冷静に加速してから、丁寧に履き直し。ほぼロスなし。
よっしゃぁあああ
得意のバイクパートや!!!
40km/h巡行するでぇえええ!!!!!
エアロポジションを取り、事前に決めておいた240wほどを目安に、回すペダリングを心がけて進む。
ん?
なんか180wくらいしか出ないんだが。
時速は40km/h近く出てるがパワーが思ったより低い。
ここで、モアパワーしようと思ったが
いや、待て。
この踏み方は絶対に240wは出ている。
この表示でモアパワーして240w出して90kmも走ったらまず確実に脚が終わり自滅する。
俺のこの感覚は絶対に正しい。
何年自転車に乗ってきたと思っている。
ということは。
あ、これ分かったわ。
パワーメーター校正できてないんだわ。
準備不足〜♪
トライアスロンはあらゆる事態を想定する"準備"のスポーツでもあるからな。
しかしそこは臨機応変に。
フッ...
"コレ"が180wね。
ならそれを目安に踏み続けるダケノコトネ。
Zwiftの-50wされるブーストアイテムの感覚だな!
バイクはさすが練習しただけあって好調で、他の人を順調に抜きまくる高速巡行モードへ。
俺についてこれるヤツはおらんのかいッ!!
ヒャッハー!!!
途中人を追い抜きながら、Uターン等のスローダウンの場所ではギアを早めに落とすことを意識し、7周回のうちの1周を早くもこなす。
しかし2周回目に入ると
"それ"は当然訪れた。。。
ん?
横から?
何かが!!
俺より速いスピードで近づいているッ!!
こ、これは!!
トライアスロンバイク!!!
トライアスロン専用に作り込まれた戦闘機のようなフォルムのフレームに、風を切り裂く前輪のバトンホイール、直進の安定性を支え轟音鳴らす後輪のディスクホイール...
しかし機材に目をとられたのは一瞬...
真に見るべきはその背にいた。
数多ある無数の決戦機材よりも危険なのは
それを乗りこなす、あの人間!!!
平然と自分を追い抜いていく。
クッ...
速い...!!!
いや"疾い"!!!
これが40km/h巡行する強者の姿なのかもしれない。正直自分は微妙にできていなかったから。
また、横並びになって初めて理解する。
その"低さ"に。
この人速いだけじゃない。
低いんだ、姿勢が。
こちらは通常のエアロロードバイクのハンドルにDHバーを"後付け"した、いわば急造のバイク。
DHバーの取り付け位置はハンドル依存なのでどうしても高くなってしまう。
あゝ・・・
今すぐにでもステムを短く切り落としてハンドルを下げてしまいたい・・・
トライアスロンはあまりポジション等にこだわらず今まで自由にやってきた自分だが、このとき初めてポジションの重要性を認識した。
あ〜俺まだ全然速くなれるわ〜
だんだん小さくなる背中を見送りながらそう思った。
だが
ん?
あれ?
また近づいてる...?
一度抜かれたが、なんか追いついてきてる。
どうやら新舞子マリンパークにかかる陸橋の登りでは私の方が速いらしい。
さすが最強ヒルクライマー!!
登りの速度が違うのだよ!!!
体重は61kg(BMIで20くらい)まで絞れてきていたのと、エアロロードバイクとはいえトライアスロンバイクよりは全然軽いのでその差かな?
もしかしてアップダウンあるコースなら俺もワンチャンありそう?
まあ今回はすぐにまた直線で置いてかれたけどね!
冥土の土産にいいことを教えてもらったぜ!
途中他にも何人か速い人には抜かれたけど、抜かれたのは本格装備の数人だけだった。
あとバイク1位ぽい人(先導バイクが前引いてる)の走りも見れて、
これが1位か。
充分"届く"速さだな。
と見送った。←えw
あの、マラソンのサブスリーは難易度高いけど、実際いくらサブスリーペースで走ってても50mくらいならサラリーマンのダッシュの方が速いのと同じ理論だな!
あの速さを長い時間維持できるから凄いんだろうけど。
そして自分は4周回目に突入。
バイクも後半戦になるのでランを見越して、背中に仕込んでおいたアミノバイタルジェルを取り出しマユチュッチュ。
しかしここで
ウプッ...
強烈な吐き気が。
まだよ・・・
まだ生まれてきてはダメ・・・
(CV:ポートガス・D・ルージュ)
そう!
男はレースでベストを尽くしたい一心で実に数分の間、吐き気を我慢していたのだ!!
いや本当は一瞬で治ったけどね。
ほら俺オーバーだから。。。
気を取り直して高速巡航を続ける。
しかし気のせいか周りに人も増えて若干ペースが上がっている気もする。
そして、サイクルコンピュータにより周回ラップを計測していた自分だが、ここで周回を重ねるごとに30秒、1分とペースが落ちていることに気づく。
なるへそ
周りが速いかと思ったら
俺が遅くなったのね
アララ・・・
そして5周回目に入り、気合いを入れようとそれまでケイデンス重視だった走法からトルク重視に変えて走り出したところ...
うっそ〜ん...
前止まってるやん!!!
参加者が皆んなコースT字狭路の手前で停止している。
高速道路の渋滞区間みたいになっていた。
前に続きたまらず停車。
どうしたんですか〜
なんかあったみたいね。
どうやらレース中に事故があった模様。
何があったかすぐには分からなかったが、救急車や消防車がやってきて、只事ではない雰囲気に。
※事故について詳しいことはよくわからないので内容は割愛します※
参加者にはその場で全員に待機指示が出たので、バイクにまたがったまま大人しく待つことに。
しかし止まると寒い。
乗車中は全く気にならなかったが、停車すると自分は袖なしタンクトップのため余計寒く感じた。
天候は晴れで気温も充分上がってはいたが、このときばかりは太陽も現れたり隠れたりのまさかの焦らしプレイ。
さ、寒い。。。
そ、そうだ!
エアロポジションをとって風の受ける面積を減らすんだ!!
といって停車中にもかかわらず、TTフォームをとってみたり。
周りの人はウインドブレーカーを着始めたり、補給食食べてたりする人も。
俺もめちゃくちゃ寒いし、何か食いたい気もする(さっきジェル飲み切った)がここは我慢だ!
『武士は食わねど高楊枝』
ってやつだ!
と我慢の男ぶりを発揮。
気持ちを切らすな!!
まだレースは終わっていない!
心を燃やせ!!!
(CV:炎柱・煉獄杏寿郎)
と自分を自分で励まし続ける。
参加者からはレースの中止を心配する声もあがっていたようだが、結局50分ほどの待機の後、全員揃ってゆっくりトランジションエリアに戻ることに。
ちなみにバイクタイムは非公式だが、距離68kmを1時間50分と平均時速37km/hを維持できるほど好調ではあった。
うーん残念!
その後バイクパートは中断となり、少し時間をおいてランパートから再開する旨のアナウンスが入った。
バイクからランへのトランジットもなくなったので、余裕を持ってランの準備を行う。
そして指定されたランのスタート待機場所へ。
待機列に並んでいると、横の女の人がスイム33分だったと話しているのが聞こえた。
えw
オレ42分かかってるのにw
精神攻撃やめてくれ笑
そしてまた待機列でふと斜め前に視線をやると
こ、この人知ってるぞ!!
なんか去年の大会のYouTubeで密着取材受けてた人だ!
というか朝タイムリーに動画見てたし!!
確か去年の年代別上位だったよな...
話しかけるかめちゃくちゃ悩んだが、レース中だし、仕切り直しの中、精神を高めているところだと悪いので、思いとどまった。
なんかカメラも回ってたし。
そして仕切り直しのランスタートを迎える...
⬛︎ランパート
バイクが中断され、トランジットエリアから今度は20秒間隔の10人横並びの一斉スタートに。
それにしてもヴェイパーフライNEXT多いな。
待機列の足元を見るとそればっかりだった。
トライアスロン界にもここまで影響あるとは。
さすがNIKEさんぱねぇっす!
と言いつつ、自分もヴェイパーフライの靴紐を締め直し、ランスタート。
走り出して改めて
ああ、中止にならなくて良かったな
と正直思った。
運営側も色々な判断があったと思うが、ランスタートになった以上、自分はこのトライアスロン大会ならぬハーフマラソン大会を存分に楽しもうと思った。
自分のトライアスロンはバイクで稼ぐタイプのレースマネージメントをしている。
今大会は年代別の上位に世界選手権のスロット(参加権)が与えられるアイアンマンレースだ。
正直出られるかはわからないが設定されている以上、練習期間が短いなりに、自分は最大限それを目指してきたし、うまくモチベーションにも取り入れられたと思う。
ただ自分はスイムが致命的に遅く、ランも速いとは言えないので、バイクスキップとなると世界選手権のスロットはほぼ絶望的だろう。
しかしここで腐るな!
スイムで10分以上出遅れた?
ランが速くない?
なら今日ここで強くなれよ!!
といった気持ちで、普段なら絶対しない...というかこれまで出来たことがない2種目後に4:00/kmペースで突っ込むという作戦...というにはあまりに無謀な計画を立てた。
どうせダメなら全部出したい。
自分の限界を知りたい。
純に思ふ。
実際走り出してみると最初の数kmは一時4:00/kmを上回る好ペース。
周りに速い人も固まっており、後ろにもついてみた。
これはジャスト4:00/kmペース!!
ただ、
今日の俺はもっとイケる気がする!!
突っ込むんだろ?
2kmくらい様子見したが、意を決して前へ出る。
バイクスキップになってなかったらこんな走りは絶対にしなかったろうな。笑
さっきまで凍えそうになってたっていうのに、なんだか熱くなってきちまったわ!!
しかし当たり前だが、自分がいくら飛ばそうが、それを平然と追い抜いていくランナーもいる。
おそらく3:30/kmほどのペースとかと思われる←やば
俺より速いやつがこんなにもいるなんて、ワクワクさせてくれるなァ!!
トライアスロンはこれだから面白いぜ!!
しかし想いと裏腹に5kmも走らないうちに息が苦しくなってくる。
ペースを落とすか?
いや、今日は気合いで走る、そう決めた。
ハアハア息が乱れてカッコ悪い???
うるせぇ!!
これが俺の走りだ!!!
練習不足だというのならば、よだれ垂らしても地面這ってでも、気合いで走るんじゃあああああ!!!!!
壊れろ!!
脚ィイイイ!!!!!
※壊れたら困ります
ペースをなんとか維持しながら、登り降りのある橋を渡り、コースは舗装されていないダート区間に。
アスファルトと違い、うまく走りづらい。
今年はあんまりトレイルもやってないし、走る筋肉もついてないな...
砂利道は地面を蹴った力が逃げる感覚さえ感じる。
だが行けるところまで行く。
その作戦に変更はない。
途中給水箇所は全てスルー。
飲み物が個包装での提供との事前情報があったので、給水所での水分補給はタイムロスになると感じ、自分は小っちゃいジェルボトルにドリンクを入れて背中に仕込んでいた。
Uターンやスローダウンする場所等で減速しつつ、適宜摂取する。
補給所はコースから若干だから遠いところに設置されていたりもしたので、補給全スルーはタイム的にみると中々良かったと思う。
俺元々あんまり水分も摂らないタイプだし。←お腹痛くなるタイプの人
そして一周10kmを終え、残り一周。
一周目と同じく砂浜近くのアスファルトコースへ。
やはりというべきか、一周目の後半は既にもう4:00/kmペースを維持できなくなってきている。
しかしこのコース橋のアップダウンやらダート区間やらがあるので、海岸線を走るアスファルトのフラットなこの区間でスピードに乗っておかなければ失速は免れない。
苦しかったが、後ろから抜いてくる人をチェックしたり、なんとか食らいつく。
ゼッケンNo.も適宜確認し、自分と同じ年代別クラスの人が来たら、可能な限り粘る。そう決めた。
しかし走っていて苦しくなると
つい無意識の走りになってしまう。
気がつくと数メートル、数十メートル進んでしまっている。
意識をしっかり保たねば。
フォームが崩れる。
4:00/kmペースは"何となく"で走って走り続けられるスピードではない!
ハッと気づき、腰を高く、腕振りを意識し、フォームを取り戻す。
段々と右の足の底も痛くなってきている気がするけど、まあこれは我慢だ。
しかし2周目の橋をくだった先のダート・砂利道区間で失速。
ペースは4:15/kmほどまでに落ちる。
ねばれ!
ねばれ!
ねばれ!
ねばれ!
「詫びろ」的な(ry
あともうちょっとで終わっちまうぞ!!
足を止めたい?休みたい?
終わってから存分に休め!!
今はただ・・・
走りに集中しろ!!!
15km過ぎのマリンパークに戻る橋の登りがキツい。
ただ、ここは無理しても筋肉で登る。
パワー・クライム・ラン(?)や!!
そして橋を渡り、メイン会場に近づくとトップゴールのアナウンスがちょうど聞こえてくる。
残り3kmちょい!
俺も頑張ルンバ!!
ただ気持ち的にはペースアップしようにも、実際には維持が精一杯。
そして、堤防の折り返しコースのところで後ろから颯爽と2人組が自分を抜いていく。
ん?
1人は女の人か?
たぶん、というかゼッケンNo.的にそうぽい。
女の人でしかも後半このペースはめちゃくちゃ速い。
自分も最後と思い、必死に食らいつくがついていけない。
それでも、徐々に差が広がっていっても、何とか気持ちでは食らいつく。
コレが
心のドラフティングや・・・
そのまま残り1kmを切り、海岸線に出るあたりでラストスパート。
2人組のうちの1人を抜き返し、150mの2回折り返しで先行する女の人の差を詰めようとする。
ダメだ。。。
届かない。。。
俺も本気だけど
当然向こうも本気。
差が詰まらない。
最後はなりふり構わず、フォームも崩しての全力疾走。
ゴールイン。
一時離されていた前の女の人とは10秒以内くらいまではつめられたか。
ハアハア・・・
しんどいわ〜
コレは。
完全に独り言だがゴール後に意外としゃべれる自分に気づく。
ラストスパートが遅いんだよなぁ...
ゴール後すぐにアルコール消毒、配られたマスク着用ののち、フィニッシュメダルと完走Tシャツを受け取る。
手元のGarminウォッチに目をやると、
ランの記録は20kmを1時間21分ほど。
今回はコロナの影響で本来の21.1kmから短縮となった20kmの短縮コースとなったが、20kmでも自己ベスト更新は間違いないだろう。
よくやった...
...のか?
Ave.は4:05/kmほど。
もちろん途中ペースが落ちてコレ。
周りを見てもわかるように真の強者になるには、少なくともハーフくらいの距離なら4:00/kmで押せるくらいの力が必要だなとも感じる。
これはランは要練習やな。
バイクスキップの影響もあり、
3種目の合計タイムは結局うやむやに。
まあ、また後日運営側がうまく出してくれるだろうからそれを確認することにしよう。
それにしてもタフなレースだった。
レース終了後は身体への負荷も感じる。
ゲホゲホ...
また肋骨を...
何本かイッたな
こりゃ...
※折れてません
バイクスキップになってしまったことは残念だったけども、自分に足りないもの、手が届きそうなもの、収穫は大きかった。
またさすがアイアンマンと名がつくレースだけあって自分が今まで参加してきたどの大会よりもレベルが高く感じられ、強い人がたくさんいて、実際にすぐ近くで走りを感じられて凄い刺激をもらった。
今回の周回が多めなコース設定が残念という意見があるかもしれないが、すれ違いや追い抜きがあるので、一流アスリートの風を肌で感じられて俺は嬉しかった。
俺もそう遠くない未来、同じ風を巻き起こしてやりたいと思う。
あと、自分にとっての翼(=バイク)を封じられてもランを頑張れたのも良かった。
あー
俺これまだ伸び代全然あるわ。
レース後の余韻もほどほどに男は会場を立ち去る。
次なる強敵を求めて。
そして新たな自分を探して。
ぐはっ・・・
消化器官系が完全にやられてるw
腹減ってるけど何も食えないwww
ミドルでこの反動...
もしロングなんかやっちまったらどうなるんだ...
大丈夫!
また楽しめるさ!
今回はコロナの影響で1ヶ月半しか練習期間を取れなかったが
次やるときは練習期間に制限は設けない。
♠︎本気で闘ろう♠︎
男の闘いは次なるステージへと続く!!!
ええ。
帰り道500kmの運転が1番しんどかったですよ。
どの種目よりもね。。。
おつかれ!おれ!